旧南ベトナム、サイゴン市は1975年のベトナム戦争解放後、ホーチミン市(H・C・M・C)と改
称された。この写真はチョロン地区(中国人街)午前6時30分、朝のビンタイ市場前広場のにぎ
わいだ。1778年中国の清王朝成立、西山党の乱のおり広東系の商人が大挙移住した。チョロ
ンとはヴェトナム語で大市場の意味。フランス植民地時代にも繁栄を続けたが、1975年の北ベ
トナムによる解放と、社会主義化によって衰退。しかし近年、開放政策により再び活気を取り戻
した。チョロンと言えば、映画「愛人/ラマン」の退廃した街を思い浮かべるが、今はそんな面
影はなく活気にあふれた街だ。「サイゴンの昼下がり」4〜11pより
ベトナムのニースと呼ばれる、美しい浜辺、ニャチャン。1994年初めて訪れた10月の昼時。
海岸には外国人観光客以外閑散として誰もいなかった。(明け方と夕方はベトナム人で浜辺
はいっぱいに)その後ベトナムに訪れるたび僕はニャチャンに足をはこんだ。来るたびに街は
活気が溢れ、海岸も時間に関係なくベトナム人が溢れるようになった。
*現在(2006年)のベトナムはこのチープな無国籍な雰囲気がなくなり、
すっかりチャンパふう(バリふう)にと変貌した。
ニャチャンの海岸を初めてみたとき、僕はイメージのベトナムとまったく違っていて驚いた。世界
中の浜辺を見たけれど、この海岸はそのなかでも特に印象的な美しい浜辺だ。下の写真は4
月のニャチャンの夕方。ブルーのアオザイをきる姉(19)はコマーシャルモデル。妹(17)は大学
生。美しい姉が一家をささえながら利発な妹の面倒をみている。姉は何度かニャチャンには来
ているが、妹は初めてだという。
ニャチャンの海は、季節や時間帯、天候によって一変する。
風がなくなった午後、海面は鏡のようになめらかになった。
ニャチャン港からボートで南東に向かうと、長崎県の五島列島のように島が点在している。した
の写真はカムラン湾の方面に行く途中だ。内湾なので海面は穏やかだ。
ニャチャンビーチの南端。バオダイ帝の別荘を改造したホテル、ホテルバオダイビラズがある。
岸壁に面したクラシックなホテルだ。ホテルのプライベートな岩場で、
何組かのカップルが結婚式の記念撮影を行なっていた。