MAR.1998 Kujukuri Chiba Japan

この写真は自動車雑誌NAVIの女性特集のなかのファッショングラビアページだ。

僕は、ファッション写真が洋服を売るための販売促進の意味しかない、

今の多くの日本のファッション写真の現状に幻滅している。

ファッション写真はNUDE写真と同じように写真のなかの魅力的な一分野だ。

それは高度な資本主義社会と添い寝するように存在している。

そのことによって通俗と洗練がせめぎあうのだ。

僕は車を燃やしたいと思った。

映画などでは簡単に燃やしたりするけど、ファッション写真の中で車を燃やす意味を自問自答した。

しかもクルマ雑誌NAVIだ。燃やせば不要に煙りがでて、

ダイオキシンをまき散らすことにもなるかもしれない。

僕は九十九里の撮影場所の近くのジャンクヤードから解体寸前のロードスターを買った。

運んで燃やし、撤去する。そこまでを依頼した。

私有地の撮影なので土地のオーナーの許可はとっていたが、

その日は強風だった。

それに車はなかなか燃えなかった。

石油を注いだりしてみた。ところが突然黙々と黒い煙りを舞あげ燃え出した。

それは予想を遥かに超えた火勢だった。あわてて皆で砂をかけた。

撮影どころではなかった。それでもちょっと火勢が弱まったところで、ホンの数分の撮影をした。

いつ消防が飛んできても不思議ではなかった。

写真は頭のなかや、バーチャルな世界では、生まれない。目の前にアイデアを現実に作り出さなければならない。

ある意味とっても反社会的だ。

タイトルは「楽園のむこう側」(もちろんフィッツジェラルドの楽園のこちら側のパロディだ)

1999年の最後の日がテーマ。


STYLIST SUMI SANBONGI

HAIR KENJIRO AKAMA

MEKE-UP NAOMI KUBOTA

DESIGN HIROSHI OMIZO

ART DIRECTOR KOJI MIZUTANI

リンホフテヒニカ4×5 スーパーアンギュロンf8 ポラロイドtype55

MAR.1998 Kujukuri Chiba Japan

フィアットジャパンからオレンジ色のバルケッタを借りた。

このファッショングラビアのテーマは、「ESCAPE」。どこかに逃げ出す。

そんなイメージのコンテを書いた。

マミヤRZ67 セコール110mmf2.8 プロビア-2減感

MODEL KAORU TAKAO TSUNO

MAR.1998 Kujukuri Chiba Japan

ポラロイドカメラ195 ポラロイドフィルムtype665

僕はポラロイドカメラ195がとても気に入っている。20年ぐらいまえに香港で購入した。

初めのころは35mmのためのポラ用テストカメラだった。

あるときtype665のフィルムをいれて撮影した。癖のないボケ味。

このカメラが故障して使用不能になったらと思うとぞっとする。

left page MODEL YOU

cos.SHINICHIRO ARAKAWA

right page MODEL MODEL KAORU TAKAO TSUNO

MAR.1998 Kujukuri Chiba Japan

MODEL KAORU

JAGUAR XK8 CONVERTIBLE

cos.MIU MIU

砂の反射だけで、一切レフ板などはつかっていない。

フィルムは減感現像することによって軟調に仕上げている。

減感によるカラーバランスの崩れを整えるため

LBA4フィルターを使用している。

マミヤRZ67 セコール110mmf2.8 プロビア-2減感

MODEL KAORU TAKAO TSUNO

MAR.1998 Kujukuri Chiba Japan

ポラロイドカメラ195 ポラロイドフィルムtype665

STYLIST SUMI SANBONGI

HAIR KENJIRO AKAMA

MEKE-UP NAOMI KUBOTA

DESIGN HIROSHI OMIZO

ART DIRECTOR KOJI MIZUTANI

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