yumingこと、荒井由実、このLPのときには、松任谷由実になっていたかな、彼女とは最初

のアルバム「ひこうき雲」でデビューした直後、当時のぼくのガールフレンドをとおして知り

合った。20才そこそこ、いやまだ10代だったかもしれない。クラシックの譜面帳のような地

味なカバーのそのアルバムのなかの、ベルベットイースターを聞いた時、ぼくはまったく違

う世代の歌手が誕生したと思った。そのころぼくは著名なカメラマンのアシスタントで、この

ものすごい歌手を皆に知ってほしかったが、

そのぼくの師匠は、五輪真弓の「少女」に熱狂していた。あるとき、TBSの新人オーディシ

ョン番組に、yumingとぼくの彼女、それに青学の学生だったかな、ギタリスト

の3人が出場した。女二人はギンギンのロンドンスタイル。しかしその番組は、ポップスは

メインではなく、演歌歌手も出場。審査委員にかまやつさんがいて、ひとり絶賛していたが

、場違いといったかんじだった。その日渋谷駅まで、師匠が外国ロケをいいことに、アメ車

のクーガーで迎えにゆき、赤坂まで送ったことを覚えている。そんな生写真を無断で公表

はできないが‥‥。新宿ルイードで撮った写真もある。

 初めてyumingを撮影したのは、ぼくがフリーになってまもなく、講談社のヤングフォーク

だった。今じゃ考えられないけど、彼女は撮影があまりすきではなかったようで緊張してい

た。しかしその後、みるみるブレイクして今になっている。このアルバムのころには、

完全に大スターになっていた。写真の撮られ方もパーフェクトで

とても楽しいセッションだった。

このアルバムジャケットは、yumingのジャケットのなかでも特に評価が高い。


ARTDIRECTOR MIKIO TAKEUCHI 竹内幹雄/HAIR&MAKE TOSHIKO YANO 矢野トシコ