横木安良夫流スナップショット」 

5月10日発売 エイ出版社 エイ文庫 202ページ 660円+税 写真 129点

●編集・企画 :藤田一咲 ●カバーデザイン:竹川雅宣

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デジタル時代になり、例えばカメラ付き携帯の普及によって、

かつては考えられないぐらいの多くの人が写真を撮るようになりました。

写真を撮ることは誰にとっても特別なことではなくもはや日常なのです。

そのうえ肖像権の問題があります。

写真を撮ること、とりわけもともと先鋭的な手法であるストリートスナップへの風当たりは

今やかなり強いものがあります。

いやそれどころか住宅地でカメラを持ってふらふらしているだけで怪しまれる現実です。

もはや無自覚に写真を撮れる時代ではありません。

僕は一写真実行者としてスナップショットについて常日頃考えていることを書きました。

ある意味これは自戒の書でもあります。(200ページ 写真128点)

●あとがき より

スナップショットについて、最初はもっと気楽なことを書きたかった。

ただ、昨今の肖像権の問題や、それどころか住宅地の路地をスナップしているときでさえ、

冷たい視線を浴びせられる現実。

やはり日々考えていていることに触れなくてはと思った。

そこで僕のスナップショットのよりどころをここにまとめたのだが、

極めて偏狭な知識シナ持ち合わせていないはずなのに

写真の歴史までダイジェストしてしまった。

僕は学者じゃない。

ただの写真実行者だ。ここに書いたことはスナップショットをする人たち

に向けたものというより、実は自戒でもあるのだ。こういうものが少しでも、

読者の参考になれば幸いです。

…後 略 …

●もくじ より

016 はじめに

第一章 

025 スナップショットについて

026 スナップショットは、運動だ

036 〈人間の目〉と〈カメラの目〉の違い

052 ストリート・スナップとストリート・ポートレート

056 肖像権について

第二章

092 写真の歴史とスナップショット

093 写真の始まり

105 スナップショットの始まり

112 キュンデッド・フォトの誕生

120 スナップ・ショットの時代

124 ライカの登場とフォトジャーナリズム

132 現代写真の始まり

第三章

140 実戦横木安良夫流スナップショット

141 テーマを決める。実は場所と時間を決める。

160 カラーで撮るか、モノクロか!

164 デジタル写真と銀塩写真

172 単焦点レンズとズームレンズ

176 実戦ストリートスナップショット

188 あとがき

192 撮影データリスト


横木安良夫写真展 GLANCE OF LENS 〜レンズの一瞥〜」 

詳細

2008年5月22日(木)〜5月28日(水) 会期中無休 am10-pm6  (最終日はpm2時まで) 入場無料

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●5月24日(土) PM6:00−PM8:00 ギャラリートーク  タカザワケンジ VS 横木安良夫 (無料)

僕は世界を自分の目で見ているのだろうか。

「いやオマエは、何も見ちゃいない」

僕が撮った写真……。

「それはオマエが見たものなんかじゃないよ」

でも目の前の、あるがままだよ。

「ただレンズが見ていただけさ」

だったら僕は、ただのカメラの引率者なのかい?

「そうさ、それなのに、世界を見たような気になっていやがる」

僕がカメラに指令したんだ。

「フン、『さあ、今だ!撮れと!』とね、お笑いだよ」

この写真は僕のものだよ。

「くだらねえ!」

これは僕の目によって選ばれたんだ。

「オマエは世界の何も見ちゃいないんだよ」

でもこれは僕の目の前にあった、あるがままだよ。

「極小の針の穴から見たあるがままさ」

それだっていい。僕はずっとこれを眺めているよ。

「死ぬまでね…」